突然ですが、『擬制陳述』という言葉をご存じでしょうか。
ひらがなで書くと『ぎせいちんじゅつ』。
これは民事訴訟において使われる言葉で、1回目の口頭弁論の際、事前に答弁書というものを提出しておけば当事者が裁判所に出頭しなくても、書面に記された内容を主張したという扱いにする、というものであるそうです。
法曹関係の方以外には、おそらくあまり馴染みのない言葉ではないかと思います。
私自身もこの言葉の存在を知ったのは、オペレーターとして働き始めてからのことでした。
サービス開始より13年目となる当社電話代行は、とても有難い事に様々な業種の方からご利用を頂いております。
製造業、不動産業、建設業、販売業、士業やIT業界。(勿論、左で挙げさせて頂いた業種が全てでは御座いません)
日々様々な業種のお客様宛のお電話をお受けする中で、私達オペレーターは『その時初めて聞く言葉』を耳にする機会が多くあります。
その業界で働いている人にとっては当たり前に意味が通るけれども、日常生活ではあまり聞く機会のない言葉。
いわゆる『業界用語』や『専門用語』と呼ばれる言葉です。
例えば私が以前居た事のあるアニメーション業界では、『サッカン』『ドウケン』などの言葉を聞く機会がよくありました。
それぞれ漢字に直すと『作監』と『動検』、前者は作画監督、後者は動画検査の略語になります。
冒頭で挙げた『擬制陳述』のような専門用語から上の例のような業界で使われる略語まで、恐らくはどのような業種にも、こういった言葉はあるのではないでしょうか。
お客様宛のお電話で初めて聞く言葉に出会った際、私は必ずその言葉の意味を調べるようにしています。
例えば『ザッソンコウジョ』という音を聞いた時、この音をすぐに脳内で『雑損控除』に変換することができれば、お電話を頂いた方のお話が格段に聞き取りやすくなり、より正確なご報告ができるようになります。
私は入社してから9年程になりますが、新たにご契約頂ける会社様も多い為、まだまだ『その時初めて聞く言葉』を耳にする機会が尽きる事はありません。
一方で、この9年間で多くの言葉を知った事と、すぐに調べる癖をつけたことで、入社当初よりもスムーズな電話対応とご報告ができるようになったと感じています。
マニュアルだけでは対応のできない、まだまだ学ぶことの多い仕事に、日々やりがいを感じています。
季節がすっかりと冬に近づいてきました。
私がこのブログを書いている11月上旬は、まだ長袖1枚で外を歩いても涼しい程度の気候ですが、コートの手放せない時期になるのももうすぐかと思います。
今年も残すところあと僅か。
皆様、どうか体調を崩されないように暖かくしてお過ごしください。
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